体外衝撃波についてAbout shockwave
体外衝撃波とは
体外衝撃波(英語:Extracorporeal shockwave)とは、
非侵襲的に組織の深部までエネルギーを伝播し、
組織再生を促進する治療法です。
体外衝撃波は1980年代に腎臓結石の治療に初めて使用され、
現在は理学療法、整形外科、スポーツ医学、
リハビリテーションなどで幅広く使われています。
体外衝撃波は発生原理や波形によって、
集束型と拡散型の2種類に分けられます。
体外衝撃波は
エネルギーの発生原理によって
2つのタイプに分類されます。
集束型衝撃波
集束型衝撃波(英語:Focused shockwave)は組織の特定の深さに焦点を当て、衝撃波エネルギーを集中的に伝達することができます。名前通りにエネルギーの形は集束し、最大のエネルギーは焦点にあります。焦点の位置はカップリングパッドによって調整できます。
体外衝撃波の技術は、電気音響方式(electroacoustic)、電気水圧方式(electrohydraulic)、圧電方式(piezoelectric)、電磁誘導方式(electromagnetic)の4種類があります。どの発振方式でも同じ衝撃波エネルギーを生成しますが、技術的な側面では異なる点があります。その中でも、電気音響方式は最新であり、簡易なメンテナンスと長い寿命(耐用年数)が特徴です。
電気音響方式の照射イメージ
電気音響方式では、発生装置を通してアプリケーターに高電圧がかかります。この高電圧により、アプリケーター内にある単一の圧電素子が変形し、衝撃波が発生します。このように発生した衝撃波は電気音響レンズによって集束し、アプリケーターから照射されます。
電気水圧方式の照射イメージ
電気水圧方式では、二つの電極の先端の間で電気スパークが発生し、先端間にある水が急速に気化することで衝撃波が放出されます。
圧電方式の照射イメージ
圧電方式では、数百個の圧電結晶が球面に取り付けられています。高電圧のパルスを結晶に印加すると、結晶は即時に膨張し、衝撃波を生み出します。
電磁誘導方式の照射イメージ
電磁誘導方式では、電磁コイルとその周りにある金属膜を利用しています。衝撃波は、電磁力によりコイルから離れる金膜の加速によって発生します。
本邦における使用
現在、国内で出回っている機種は電気音響方式と電磁誘導方式の機種のみです。理学療法用器具として分類され、疼痛の除去や難治性足底腱膜炎の治療に使用されています。
拡散型衝撃波
拡散型衝撃波(英語:Radial shock wave)は、患者と接しているアプリケーター先端(バンパー)から振動のエネルギーを発射し、皮膚の上から組織の深部まで伝達します。
こういったエネルギーは圧力によって発生し、波のように体内に伝播するため、現在では一般的に拡散型圧力波(Radial pressure wave)と呼ばれます。
拡散型圧力波の照射イメージ
拡散型衝撃波では、空気圧により加速された発射体がバンパーに衝突し、組織に衝撃波を伝達します。集束型とは違って、エネルギーの焦点はアプリケーター先端に位置し、身体の表面から体内に伝播します。このように発生した衝撃波は焦点から拡散していくため、拡散型と呼ばれます。
本邦における使用
国内において、拡散型圧力波は身体の筋肉構造を刺激・マッサージするために用いられます。理学療法用器具として整形外科やスポーツリハビリテーションなどで幅広く利用されています。